警察ヒーロー。その正義

ヒーロー。それは平和を愛し、人々を守り、そして皆の心の光であるもの。

ヒーローの概念は世界共通です。特撮、アニメ、漫画。ジャンルを問わず様々な媒体で描かれています。

現実世界で一番ヒーローに近い職業は何でしょう?
そんなものはないというのが率直な意見です。何故なら彼らヒーローは、同時にある程度自由でもあるからです。
現代社会に自由は難しい。
仮面ライダーシリーズは、主人公の職業を自営業や学生にし、自由を持たせている場合が多いです。

しかし作品によっては、ヒーロー自身が組織に属しているないし、組織そのものがヒーローをサポートするものが多くあります。

スーパー戦隊、メタルヒーローシリーズは組織=ヒーロー所属チームのように扱われている場合が多くあります。
ウルトラマンも新世代ヒーロー(ウルトラマンギンガ以降の作品をファン間では指す)までは、変身者はほぼ防衛チームに属しています。

その中でも特に現実に近い組織と言えば、"警察"だと思います。
最近の警察ヒーローといえば、「怪盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー」のパトレンジャー。「仮面ライダードライブ」の仮面ライダードライブなんかが該当します。



昭和のメタルヒーローシリーズでは、前半は宇宙刑事がヒーローである「宇宙刑事ギャバン」、「宇宙刑事シャリバン」など、後半は犯罪や災害から人々を守る「機動刑事ジバン」、「特捜エクシードラフト」などが制作されました。

※こちらはリメイク版


彼らはそのヒーローの力で、人々を守る光となりました。



そんな彼らですが、時代の流れなのか最近ではある悩みが描写されがちです。
それは警察官は"秩序の味方"であって"正義の味方ではない"ことです。

正義を乱すものは許せない。しかし、それ以上に組織として国家に逆らうものを許すわけにもいかないのです。


この描写で私が好きなのは「快盗戦隊ルパンレンジャーvs警察戦隊パトレンジャー」の構図です。

警察組織として、街を破壊し人々を混乱と危険に合わせるギャングラー(敵組織。異界からやってきた犯罪者集団)は許せない。
しかし、怪盗行為を働くルパンレンジャーももちろん、見逃すわけにはいかない存在なのです。

そして2つの正義は互いに激突し、時には共闘しながら、互いにギャングラーという共通の敵を撃破していくのです。
この作品ではルパンレンジャーサイドの正体は、視聴者と少数の登場人物以外には明かされません。
しかし物語終盤、敵の策略によりルパンレンジャーサイドの正体がバレてしまう事態が起こります。
そしてパトレン1号、朝加圭一郎は同時に苦悩し、自らの不甲斐なさを責めます。
警察官としてもっと早く気づいてあげられていれば、苦しんでいるルパンレンジャーを救ってあげられたかもしれない…。

それは警察官以上に、彼自身の目指す正義の味方としての葛藤、苦悩でもありました。

そして圭一郎はルパンレンジャーと接触。
結局手錠をかけることはなく、最終的に2人のレッドは互いの正義を認め合うことで和解します。

そして2つの正義は1つの悪を倒す最終決戦へと向かうのです。


誰かが言いました。
正義とは道徳的正しさなのだと。

誰かが言いました。
正義の反対はまた別の正義である。

誰かが言いました。
戦争とは正義と正義のぶつかり合いなのだと。


正義のぶつかり合いは起きます。
そしてそれを力でねじ伏せることは、いとも簡単です。

争いの絶えない世の中。
互いに認め合うことが、何より必要なことではないでしょうか。

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